ハンス・コパーとルーシー・リー
2011年 01月 09日
Lucie Rieは以前から好きで、st Ives ( cornwall,UK )の陶芸のギャラリーを回った時に(ガラスケースの向こうではあったけれど)30cm程の近距離で本物を目にすることができ、大興奮、心が吸い込まれるほど感動したけれど、今日見たHans Coperの作品には、久々に魂が震えました。
この感動をどう伝えたらいいのでしょう。
オリジナリティ溢れる洗練されたフォルム、器のなめらかな肌、質感、絶妙な色、バランス。。。ストイックなまでの追求心。それはCOPERの作品に取り組む姿勢の厳しさの表れそのものであり、その神聖で純粋に美しい作品一つひとつにさにうっとりとするのです。
あぁ何度展示ケースから取り出して、「この手で触れたい。質感や重みを肌で感じたい」と思ったことでしょう。
展示構成は年代、作風ごとに順序立てて見せてくれ、その変化も分かりやすく、またLucieとの交わりや共作した作品の数々、Lucie自身の作品(嬉!!)も展示してあり、とても好感が持てるもので、美術館のキュレーター自身も「自画自賛ではありますが素晴らしい展示になりました。」と。うん。納得。
そしてCOPERが長年追求し続けたキクラデスフォルムと呼ばれるキクラデス石偶から影響を受けたと言われる作品の数々が並ぶ最後の展示室。一つひとつのサイズは小さいながら、なんという存在感!一つひとつが神々しいのです。
そのお部屋にどの位の時間いたことでしょう。
もう帰らなければ。。。と頭では分かっていても、魅了されつくし、愛しくて仕方がなく、まるで大切な人との別れを惜しむかのようにものすごい磁力で引きつけられ、その場を離れられなくなりました。
しかも今日は「新春放談」と題し久世健二氏(金沢美術工芸大学学長・陶芸家)と金子賢治氏(茨城県陶芸美術館館長)の講演会があり、イングランドの陶芸の流れ~巨匠Bernard LeachからLucie Rie, Hans Coper~世代毎の特徴を知ることができ、またBauhausやギリシャ、メソポタミア、ケルトからの 影響なども交えて彼らの作品の特質、また土を扱うこと、創るということについて話を聞くことができたので知的好奇心も刺激されなかなか充実した一日でした。
そう、朝の10時から18時まで一つの美術館の中にいたなんて、さすがの私も初めてで、(あ、いや、ルーブルではそんなこともありましたが、それは巨大すぎてのこと…)
あらら。。。盛岡市内もいろいろ行きたいところがあったのに、結局そのままとんぼ返り。。。笑
でもでもそれでも見て来れて大満足。
Lucie Rieや陶芸好きの方はもちろん、Brâncuşiなどの彫刻が好きな方も必見です。
岩手県立美術館で2月13日(土)まで開催してますから、是非!!!
by nishimaggiefr
| 2011-01-09 01:51
| art/photo