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la petite couronne de fleur

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ハーブ&ドロシー

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元郵便局員のハーブと図書館司書だったドロシー。

マンハッタンの1LDKの二人のアパートには1960年代からこつこつ集め始めたミニマル、コンセプチュアリズムを中心とした現代アートのコレクションが4000点以上。40年に及ぶ収集でとうとう二人の小さな住処は「楊枝一本の隙間もない」ほどに。。。

いくつかの作品を売れば二人の生活はどんなに豊かになっただろうと周りの人々がやきもきするほど、二人は徹底的に慎ましい生活を送り、居心地のよい家に住むことも、大きなソファーを買うこともなく、彼らの情熱と愛はただひたすらにアート作品の収集だけに傾けられる。

NY中のギャラリーを見て廻る二人のアートに対する情熱と好奇心、作家たちとの交流、作品に対する純粋な愛情、気に入った作品、作家にとことんのめり込みその創作過程までも吸収しようとするほどの徹底ぶり。貪欲なまでに集めた作品の数々。。。


多くの美術館やコレクターからの申し出を断り続けていたにも関わらず、彼らのコレクションをナショナルギャラリーへ寄贈することを承諾した理由~

 ・ナショナルギャラリーは作品を売却することなく永久保存するため。
 ・市民がいつでも無料で鑑賞できるため。

そう、とにかく二人の情熱の根源が「その作品が好きだから」「その作品を守りたい」という純粋な気持ちに尽きる。

アートバブルもその後の崩壊も全く関係なかったわ」というドロシー、そう、だってお金儲けのために購入した作品なんて一つもないのだから。

そしてナショナルギャラリーに作品たちを寄贈したことについて「子供たちを大学に送り出した気分だよ」と微笑むハーブの表情は誇りに満ち溢れ輝いていた。

二人の膨大なコレクションはナショナルギャラリーにさえも収まりきらず1000点のみの寄贈となり、残りの作品についてはアメリカ史上でも最大規模のアート寄贈プロジェクト『ハーバート&ドロシー・ヴォーゲル・コレクション 50 × 50』として全米50州の美術館に50点ずつ、合計2500点寄贈することに。
(想像できますか?その膨大なコレクションがなんと彼らの1LDKの部屋に収納されていたなんて!驚愕!!!)


そしてね、ラストもいいんです!
探究心と好奇心。若さの秘訣、これに勝るものはないかもしれませんね。

「ハーブ&ドロシー」はとにかく「お金儲けのためではなく、ただひたすら二人三脚で好きなモノを集めてきた」ふたりの姿を通して、自分の目で、本質を見極めて、ほんとうによいものを選ぶこと“ほんとうに豊かな人生”の在り方を浮き彫りにする夫婦愛のドキュメンタリー映画なのです。

観れて良かった…


監督佐々木芽生
ハーブ&ドロシー公式HP

残念ながら仙台での上映は1月28日で終了してしまったようですが、是非機会を見つけてご覧ください!
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by nishimaggiefr | 2011-01-29 02:26 | cinema/theatre
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